2023年度海外研修事業(2023.10.1~10.10)

◇2023年度海外研修事業

■日 時 2023年10月1日(日)~10月10日(火)

■場 所 スペイン・イタリア

■目 的 

(1)スペイン地方都市のスマートシティ化・環境都市化先進事例視察

(2)スペイン巡礼の道、バスク地方のスポーツマーケティング・食文化視察

(3)イタリア・トリノで名産品(白トリュフ)を利用した観光街おこし視察

(4)訪問する各都市の自然・歴史・文化にふれ、自らの啓発につなげる

 

 1989年2月に開始された海外研修事業は、今回で32回目となる。新型コロナウィルス感染拡大の影響で、2020年から2022年まで中断となっていたが、4年ぶりに本事業を再開するにあたり、検討会議開催を全会員に案内し、多くの会員皆様方の意向を反映した研修事業となるよう検討を重ねた。視察訪問先の選定についても、調査・研究各委員会のテーマに沿った内容で訪問先を抽出し検討を行った。

 複数回の検討会議の結果、スマートシティの先進地であるスペイン:サンタンデール市、創造都市・環境都市として街づくりに積極的な取り組みを行っている同:ビルバオ市など、地方創生の具体事例を学ぶことを目的とした視察訪問地を決定した。また、観光大国イタリアの都市部トリノにおいて、農業が観光と結びつく「アグリツーリズモ」などに着目し、スペイン加えてイタリアを訪問することに決定した。

 2023年10月1日(日)から10日(火)までの10日間、長岡代表幹事を団長、三木代表幹事を副団長とし、総勢20名の参加となった。

  今回の海外研修事業のポイントとしては、

1.調査・研究委員会のテーマを視察目的に選定

2.徳島市と同規模地方都市の街づくり事例視察

3.スペインプロサッカーチーム「レアル・ソシエダ」との交流(徳島ヴォルティス提携先)

4.ヨーロッパの自然・歴史・観光・食文化の体験等が挙げられ、全般的に様々なことを学び、訪問地の自然・文化・歴史を十分に体感できた。

 

 行 程 <主要視察・訪問先>

 10月1日(日)徳島阿波踊り空港発、東京羽田空港から北極圏まわりでヨーロッパへ出発

 10月2日(月) フィンランドの首都ヘルシンキ着。終日市内視察。夕刻、乗り継ぎで空路スペイン・バルセロナへ移動。

 10月3日(火)終日バルセロナ市内視察。世界遺産サグラダファミリア、ピカソ美術館他視察。

 10月4日(水)空路スペイン・ビルバオ市へ移動。午後サンタンデール市役所・スマートサンタンデールデモセンター視察。

 10月5日(木)ビルバオ市内経済視察。ビルバオ市役所において幹部職員から市の過去の歴史から現在にいたるまでの都市計画・現況についての説明を受けた。参加者全員がその計画的な街づくりの素晴らしさに感銘を受け、積極的な意見交換会を行った。その後、専用車でサンセバスチャン市へ移動、有名なバスク地方の食文化を体験。

 10月6日(金)サンセバスチャン市内経済視察。プロサッカーチーム「レアル・ソシエダ」との交流後、パンプローナ市へ移動、スペイン巡礼の道・パンプローナ大聖堂を視察。

 10月7日(土)専用車にてビルバオ市へ向かい、空路バルセロナ乗継ぎでイタリア・ミラノへ移動。

 10月8日(日)専用車にてトリノへ移動。世界遺産カリニャーノ宮殿、スペルガ聖堂などトリノ市内を視察。午後、世界遺産のブドウ畑を背景としたバローロのワイナリー、アルバにて観光街おこし事業「トリユフ祭り」を視察。

 10月9日(月)ミラノ発、空路ヘルシンキ経由、東京羽田空港へ向けて出発。

 10月10日(火)約14時間のフライト後羽田空港を経由し、徳島阿波踊り空港着。

 

 4年ぶりの海外研修事業が大きなトラブルもなく終了できましたことに対し、参加された皆様方に改めて感謝いたしますとともに、来年以降の海外研修事業を更により良いものにしたいと考えますので、会員皆様方のご協力をよろしくお願いいたします。

 

ジェトロ海外セミナー「欧州最新動向セミナー」(2023.9.5)

 9月5日(火)欧州最新動向セミナーが、徳島経済産業会館(KIZUNAプラザ)において開催された。講師には、土屋朋美氏(日本貿易振興機構(ジェトロ)調査部 欧州課課長代理)を迎え、「欧州経済概況~スペイン、イタリアを中心に」をテーマとして講演いただいた。本会からは長岡代表幹事、坂田理事、三好理事をはじめ13名が参加した。

 EU、スペイン、イタリアの経済概況、貿易動向、政策動向の他、スペイン、イタリアへの直接投資や進出日系企業の動向についてもお話しいただき、10月1日からの本会海外研修事業の参考となった。

 

<講演要旨>

1-1.欧州連合(EU)経済概況

 EUは名目GDP世界3位、人口世界3位の重要市場。加盟国は27か国(英国は2020年1月31日離脱:Brexit(ぶれぐじっと))。EUの実質GDP成長率は2020年に新型コロナ禍の影響から△5.7%となったが、2021年は+5.4%と回復。しかし、ウクライナ情勢によるエネルギー価格の高騰等の影響で2022年は+3.5%となり、今後も先行き不透明感から1%台の低成長を予測する。

1-2.イタリア経済概況

 イタリアの実質GDP成長率は2020年第2四半期に前期比△11.3%となったが、2020年第3四半期には、新型コロナウィルス感染拡大後のEU復興基金等を下支えにした回復により前期比+11.7%となった。しかし、ウクライナ情勢の影響による下振れ圧力は強く、回復率は当面1%程度が見込まれる。

1-3.スペイン経済概況

 スペインは欧州第5の経済規模で、失業率はEUで最も高い水準だが、旺盛な内需と観光で堅調な成長を遂げてきた。実質GDP成長率は、2020年△11.3%から2021年、2022年ともに+5.5%と好調。インフレ、利上げで消費は伸び悩むも、投資や国際観光が好調。

 

2-1.EU貿易動向

 2022年のEU域内貿易(27加盟国間の貿易)は、輸出が4兆2,300億ユーロで前年比22.9%増、輸入が4兆1,000億ユーロで21.2%増だった。一方、EU域外貿易は、輸出は2兆5,730億ユーロ(前年比12.8%増)、輸入は3兆20億ユーロ(23.4%増)と4,290億ユーロの貿易赤字となった。EUの日本に対する輸出入は2022年に新型コロナ禍前の2019年を上回り、対日輸出では、化学品で医薬品が大幅増。対日輸入は、機械・輸送機器が最大品目だった。2019年2月に発効した「日EU・EPA」(経済連携協定)は、2023年4月に4回目の合同委員会を開催し、効果的な運用に向けて協議している。

2-2.イタリア貿易動向

 イタリアは、輸出入ともにドイツが最大の貿易相手国。EU加盟国が輸出入総額の半分以上を占める。中国からの輸入額は2022年に前年比+49.1%増加し輸入国第2位となっている。対日貿易は、衣料品、医薬品などの輸出増加もあり黒字が継続されている。

2-3.スペイン貿易動向

 スペインの主な輸出相手国は、EU圏のフランス、ドイツ、ポルトガル、イタリア、ベルギー。主な輸入相手国は、2022年には中国がドイツを抜いて1位となり、続いてドイツ、フランス、アメリカ、イタリアとなっている。対日貿易は、乗用車、金属製品等の輸入増加などもあり、赤字基調となっている。

 

3-1.政策動向

 EUの6つの最優先課題のひとつ「欧州グリーンディール」が発表した「Fit for 55」の主要法案が2023年に成立。2030年までに温室効果ガスを1990年比で少なくとも55%削減する目標を明記した欧州気候法と2050年気候中立(温室効果ガスの実質排出ゼロ)目標の達成を掲げている。また、欧州委員会は、2022年5月、天然ガスを中心としたロシア産化石燃料依存からの早期脱却計画「リパワーEU」を発表しており、エネルギー危機への対応として、省エネの推進、エネルギー供給の多角化、再生可能エネルギー利用の促進を3本柱に掲げる。

 

4-1.日本と欧州間の直接投資

 西欧10カ国(ドイツ、英国、フランス、オランダ、イタリア、ベルギー、ルクセンブルク、スイス、スウェーデン、スペイン)と日本間の直接投資額は、2022年日本→西欧406億ドル、西欧→日本120億ドルで、直接投資残高は、2021年12月時点で、日本→西欧5,241億ドル、西欧→日本1,546億ドルとなっている。スペインに向けては、再生可能エネルギーや化学分野での投資・M&Aが目立つ。今後、グリーン分野などで日欧ビジネスの協業や事業拡大のチャンスの可能性が見られ、イタリア、スペインでの進むと考えられる。

4-2.進出日系企業動向

 欧州進出日系企業拠点数(2021年)は、欧州32カ国中、1位ドイツ(1,683社)、2位英国(867社)、3位オランダ(667社)、4位フランス(587社)、5位イタリア(389社)、スペインは7位(278社)となっている。最近では、イタリアへ、日本電産(現:ニデック)や三井物産の投資が、スペインへは、電通や関西電力の投資がプレスリリースされている。

 また、イタリア、スペインともに若者を中心に日本の文化(マンガ、アニメ等)は人気で、日本食も一般的となっているなど日本が浸透している情報が挙げられた。

第31回四国地区経済同友会交流懇談会(2023.9.22)

 9月22日(金)13時30分から、松山市のANAクラウンプラザホテル松山において、第31回四国地区経済同友会交流懇談会が開催された。四国4県の同友会から153名の会員関係者が参加し、本会からは長岡・三木両代表幹事をはじめ計16名が参加した。

 交流懇談会に先立ち、四国地区経済同友会代表幹事会が開催され、愛媛経済同友会の山口代表幹事より、この後の交流懇談会の内容について説明があった。その後、「広域観光の振興について」を議題として意見交換を行った。次に、11月徳島県で開催される第120回西日本経済同友会会員合同懇談会、来年愛媛県で開催予定の第121回西日本経済同友会会員合同懇談会などの周知・報告があった。最後に、次回(第32回)交流懇談会を主催する土佐経済同友会の佐竹代表幹事から概要説明があり、閉会した。

 交流懇談会では、基調講演とパネルディスカッションが行われた。講演会では、「少子化対策・人口流出抑制で企業が果たすべき役割」を演題に、藤波 匠氏(㈱日本総合研究所上席主任研究員)より講演をいただき、企業の今後の経営と事業継続に影響を及ぼす課題として、若年者の積極的な雇用や定着、仕事と家庭の両立支援や女性活躍の推進、所得や雇用環境の改善など雇用の受け皿となるよう、変革に取り組んでいく重要性について講和いただいた。

 藤波講師をコメンテーターとして行われたパネルディスカッションでは、コーディネーター桐木陽子氏(松山東雲短期大学教授)、パネリスト河原成紀氏(学校法人河原学園理事長)、小泉啓典氏(東昇技建㈱代表取締役)、谷水恭子氏(三浦工業㈱執行役員)、三好陽平氏(㈱三好鉄工所代表取締役社長)が登壇し、変革と成長が求められる企業の在り方についてディスカッションが行われた。

 最後に、土佐経済同友会の佐竹代表幹事から次回開催地としての挨拶があり、盛況のうちに閉会した。

 懇親パーティーは、愛媛県立松山東高等学校書道部による書道パフォーマンスもあり、大いに盛り上がり、互いに親睦を深めた。

 

第4回四国・関西経済同友会意見交換会(2023.9.13)

 9月13日(水)15時から、一般社団法人関西経済同友会において、第4回四国・関西経済同友会意見交換会が開催された。四国側からは代表幹事ならびに四国新幹線および観光担当委員会メンバーなど26名、関西側から代表幹事、常任幹事、委員長を中心に15名が参加した。本会からは長岡代表幹事、三木代表幹事、川上インフラ・防災委員会委員長、澤田観光振興委員会委員長、森高事務局長の5名が出席した。

 本会では、四国新幹線実現に向けての課題、2025年日本国際博覧会に向けての取り組み、四国への観光客誘致について意見交換が行われた。当初、四国新幹線実現に向けて関西経済同友会とも連携・協力を図るため、2017年第1回が開催されて以降、2019年10月の第3回開催を経て、今回で4回目を迎える。

 はじめに、関西経済同友会の角元代表幹事と、四国側参加者を代表して土佐経済同友会の横山代表幹事より開会挨拶があり、会議が開始された。

 まず、香川経済同友会の長戸四国新幹線導入推進特別委員会委員長(四国旅客鉄道㈱専務取締役)から四国新幹線の現状や実現に向けての課題について説明があり、質疑応答、意見交換を行った。

 その後、「2025年日本国際博覧会に向けての取り組み」について、関西経済同友会から説明があり、四国への観光客誘致については、四国の各同友会から説明があった。

 最後に、香川経済同友会の佐藤代表幹事と関西経済同友会の宮部代表幹事の挨拶で意見交換会は、閉会となった。

 続いて開催された懇親会の席において、長岡代表幹事より、11月2日・3日に徳島県で開催される第120回西日本経済同友会会員合同懇談会についても、アピールいただいた。

理事会・役員会(2023.8.7)

  8月7日(月)17時30分、しまだ(富田町)において、4年ぶりに理事会・役員会「~夏の夕べ~」が開催され、長岡、三木両代表幹事をはじめ24名の役員が出席した。

 役員会に先立ち、理事会(出席8名)が開かれ、

 第1号議案 幹事及び評議員の選任について

 第2号議案 インフラ・防災委員会の委員長選任について

 第3号議案 事務局員の同意について

が、審議され、下記の通り、幹事1名評議員2名の選任が承認された。

 インフラ・防災委員会委員長には、越智浩氏の人事異動に伴い、川上一郎氏(四国電力㈱常務執行役員徳島支店長)が新委員長に選任され、続いて、事務局員の後任人事について同意を得て、辞令が交付された。

 役員会では、長岡代表幹事の挨拶に続いて、理事会で承認された議案内容が報告され、今後の行事予定の説明が行われた。日下雅史会員交流委員会委員長からは、会員増強についての協力依頼があった。文化・スポーツ委員会からは、田中浩三文化・スポーツ委員会委員長からオペラ支援活動について、北島義貴文化・スポーツ委員会副委員長からヴォルティス徳島応援ツアー参加依頼について意見が出された。

令和5年度四国遍路世界遺産登録推進協議会総会(2023.7.21)

 7月21日(金)13時30分、愛媛県ANAクラウンプラザホテルにおいて、令和5年度四国遍路世界遺産登録推進協議会総会が開催され、本会からは廣瀬観光振興委員会副委員長、森高事務局長が参加した。

 開会にあたり、佐伯勇人協議会会長(四国経済連合会会長)と、開催県代表として愛媛県の田中副知事から挨拶があった。

 その後、4つの部会からそれぞれ活動状況について報告があった。

 普及啓発部会では、シンボルマークの変更、広報物の刷新、YouTubeを利用したプロモーション事業の実施、フリーペーパーへの広告掲載を行った報告と、英語版パンフレット作製などの令和5年度活動計画の説明があった。

 受入態勢の整備部会では、遍路道とトイレ位置案内図に、トイレ掲載箇所589箇所、Wi-Fiスポット掲載箇所263箇所を掲載し、事業継続中。また、遍路道地図刊行や、みち案内表示シート設置、地図入り看板設置の他、保全・清掃活動、イベント開催を行い、令和5年度も継続していく予定である。

 普遍的価値の証明部会と資産の保護措置部会それぞれの検討会・研究会の進捗と計画について説明があった。

 議事の後、意見交換において、歩き遍路の人口減少対策の問題提起があり、お接待の文化醸成の重要性と世界遺産登録の意義を再確認した。また、四国八十八ヶ所霊場会の畠田会長から「円環の道=四国八十八ヶ所」回遊型巡礼の説明があった。

 本会も引き続き、四国遍路の世界遺産登録に向けて、機運を盛り上げていきたい。

 

第9回西日本経済同友会代表者会議(2023.7.25)

 2023年7月25日(火)13時から、鳥取県、皆生温泉グランドホテル天水において第9回西日本経済同友会代表者会議が開催された。西日本各地の18の経済同友会の代表幹事、事務局長が集まり、本会からは長岡代表幹事、三木代表幹事、森高事務局長が出席した。

 冒頭、今回幹事を務める鳥取県経済同友会の細田代表幹事から本日の会議の2つのテーマが、各地域に共通した課題を選定している旨の説明があり、討議①「地域のインバウンド観光振興策」討議②「各地経済同友会における人づくりの取り組み」について討議を行った。

 討議①について、山陰地方におけるインバウンド観光振興の取り組みを問題提起された。インバウンド観光客に選ばれる地域になるための観光地の活性化、付加価値の高度化などは、広域観光ルートの設定や地域連携が重要である。大阪・関西万博の活用も一部地域へインバウンドが偏らないよう移動ルート構築、SNS、DX活用などの対策が必要である。

 討議②について、「ふるさと教育」「リスキリング」「高校と企業の連携」の問題提起をもとに、意見が出された。人づくりは地域創生の礎であり、各地同友会においての関心事や具体的取組も多岐に亘っていることを踏まえ、各同友会での取り組み事例をもとに、意見発表があり、経営層の意識改革、教育、企業などとの連携を意識した活動に繋げることが重要である。

 最後に、11月に開催予定の第120回西日本経済同友会会員合同懇談会について開催地である徳島経済同友会森高事務局長より概略説明を行い、盛会裏に会議を終えた。

 

夏季経済講演会(2023.7.3)

 7月3日(月)恒例の夏季経済講演会が、あわぎんホールにおいて開催された。講師には、田村正勝氏(早稲田大学名誉教授、経済学博士)を迎え、『当面の景気と30年間の景気・賃金低迷の要因 ~分岐点に立つ日本と世界の針路!~』をテーマに講演いただいた。本会からは長岡代表幹事をはじめ27名が参加した。

 

<講演要旨>

 日本経済について、当面の景気見通しは厳しく、消費者物価上昇・所得格差・消費不況の持続などの問題を指摘。特に非正規雇用の増大が賃金低下の要因であり、ドイツの55%、アメリカの80%弱におさえられている。アメリカ、中国、ドイツ(ユーロ圏)においても本格的な景気回復はまだとみる。中国は低成長へと急変しており、ドイツは低成長のまま物価上昇率はなお高い状況にある。

 賃金低迷の要因としては、他にも成熟飽和経済・輸出主導と過剰輸出・バブル経済の悪連鎖が挙げられる。大企業による中小企業からの納品価格たたき、過当競争化、利益縮小等により中小企業は困窮している。

 防衛費の増大、労働力不足、出生率、外国人労働者問題に加えて、温暖化問題も深刻な状況となってきている。特に森林伐採や温暖化問題に向けては、日本の降雨量は世界平均の2倍であることを踏まえ、農業および酪農を保護発展させるべきと考える。

 また、ウクライナ問題と日本の防衛論について人命尊重のもとでウクライナ、ロシア、NATOが話し合い、戦争を終結させるべきと考えており、日本は思いやりを核として軍事費拡大を見直し、経済至上主義が30年間の不況要因と考えて、防衛をどのようにするかも検討すべきと思っている。日本も世界も、まさに分岐点に立っている。功利主義に流されず、思いやりをもって正しい選択がなされなければならないと考える。

徳島県教育委員会へ歴史教材を贈呈(2023.5.23)

 2023年5月23日(火)、徳島県庁において、「三好長慶に関する歴史教材贈呈式」が行われた。本会からは三好代表幹事、田中文化・スポーツ委員会委員長が出席した。

 本会はかねてより文化・スポーツ委員会が中心となり「三好長慶」の啓発事業に取り組んできた。昨年2月に三好長慶生誕500年を迎え、記念事業としてマンガ本を制作することとし、およそ1年をかけてこのたび完成、徳島県教育委員会の榊󠄀教育長に贈呈した。

 マンガは三好長慶の生涯を描いたもので、60ページで構成。県内在住の漫画家「あるまじろ」さんが作画し、監修は四国大学の須藤教授にお願いした。

 子どもたちを中心に多くの方に気軽に長慶を知っていただき、郷土に対する誇りや愛着につながればとの想いから制作したもの。冊子も作成したが、基本的には、学校教育の場でこのマンガを活用してもらい、子どもたちがタブレット端末で読むことを想定しており、県教育委員会には前もってデータでもお渡ししている。

 冊子は本会会員、県下の小中学校、高校、特別支援学校などに送る予定。なお、本会ホームページでも公開する。

第35回全国経済同友会セミナー(2023.4.13)

 4月13日(木)13時から、長崎市の出島メッセ長崎において、第35回全国経済同友会セミナーが開催された。今回は、「経済人として安全保障にどう向き合うか」を総合テーマに掲げ、全国44経済同友会からおよそ1,100名の会員が参加し、本会からは三好代表幹事、三木代表幹事をはじめ、計11名が参加した。

 オープニングでは、市川晃氏(全国経済同友会セミナー企画委員会委員長)が開会挨拶を行い、「経営者は国そのものの安全保障や、その裾野における経済安全保障に関する感度を高め、様々なリスクを考えながら経営の舵取りをしていく必要がある」と述べ、今回のセミナーはこうした問題意識に基づき3つのパネル討議で構成、それぞれの目的について説明された。続いて森拓二郎氏(長崎経済同友会代表幹事)が歓迎の挨拶を述べ、来賓の大石賢吾氏(長崎県知事)が祝辞を述べられた。

 その後、休憩をはさみながらパネル討議が行われた。

 

①パネル討議(第1セッション)

テーマ:「世界を取り巻く安全保障の現状と今後の国際秩序形成への課題」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

②パネル討議(第2セッション)

テーマ:「サプライチェーンにおける経済安全保障」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 各パネリストによる白熱した議論が展開された。

 パネル討議終了後は、懇親会があり、全国の経済同友会のメンバーと懇親を図った。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 2日目は、早朝から3つ目のパネル討議が行われた。

③パネル討議(第3セッション)

テーマ:「企業・経営者は安全保障にどう向き合うか」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

パネル討議終了後、櫻田謙悟氏(経済同友会代表幹事)が総括され、「経済安全保障と安全保障は表裏一体。我々企業経営者は情報を収集し、決断し、そして行動していくことだ」と述べられた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 総括の後、特別公演が行われた。

<特別公演>

講師:髙田旭人氏(㈱ジャパネットホールディングス代表取締役社長兼CEO)

演題:「民間主導の地域創生モデルについて」~長崎スタジアムシティプロジェクトにかける想い~

 

 講演では、ジャパネットグループが展開するスポーツ・地域創生事業を中心に現在の取り組みについての話があった。サッカーとバスケットボールのプロチームを100%子会社で運営している。そして現在「長崎スタジアムシティプロジェクト」を進めている。スタジアム(約20,000席)、アリーナ(約6,000席)、ホテル(243室)オフィス、商業施設の建設が進んでおり来年10月に完成する見込み。カフェ、レストランはもちろん温泉施設も設置する。試合がない時は、レーザーショーやプロジェクションマッピングなどの工夫を凝らす。そして長く滞在してもらえるような施設、交通渋滞緩和のためにも車では来たくないような施設を目指している。そして髙田氏は、「今回の投資により収益が上がっていることを証明できた時には、各地域から見学にきていただき、それぞれの地域へ波及していけばと思っている。私ども民間企業が取り組むこのプロジェクトに興味を持っていただけるとうれしい」と話された。

 また、最後に同社が取り組んできた「働き方改革」についても触れ、週3日の「ノー残業デー」やシニアを対象とした「セカンドライフサポート制度」などの取り組みを紹介し講演を終えた。

 エンディングでは、次回開催地の福井経済同友会代表幹事の林正博氏、長崎市長の田上富久氏から挨拶があり、最後に、長崎経済同友会代表幹事の東晋氏が「今回は3つのセッションに分けて議論していただいた。答えがすぐには出せない大きなテーマであるが、皆様方には大いに参考になったことと確信している。また、長崎スタジアムシティプロジェクトについては産官学オール長崎で盛り上げていきたい」と閉会の挨拶を述べられた。

 参加した会員は、長崎スタジアムシティプロジェクトを中心に再開発が進む長崎の活気を実感し、大きな刺激得た大変有意義な全国セミナーとなった。