2025年度事業計画
「観光・防災・多様性で未来へつながる徳島経済」
基本方針
昨年は、政治・経済・社会と、ありとあらゆる分野で混迷を深める年となりました。また、1月に発生した能登半島地震をはじめ、度重なる自然災害や気象変動にあらがっていくことも困難な状況でした。世界に目を向けると、地政学的な地殻変動による世界情勢の混迷に加え、アメリカでは、自国優先主義を声高に主張するトランプ前大統領が返り咲くこととなり、様々な局面で先行不透明な状況となっています。国内では、政治資金問題に端を発し、8月の衆議院議員選挙で15年ぶりに政権与党が過半数を割り込み、今後の政権運営に一抹の不安を残す結果となりました。また、ゼロ金利政策の転換と歴史的な円安水準に加え、日経平均株価は4万円前後で推移しており、20年余りにおよぶデフレ・スパイラルの出口にようやく差し掛かっているといえます。
徳島県では、徳島阿波踊り空港に香港国際空港、韓国・仁川国際空港との国際定期便が就航し、海外からの観光客増加が期待されています。そして、いよいよ4月13日日曜日に「大阪・関西万博EXPO2025」が開幕します。それに先駆けて本年1月には、四国地区経済同友会共同アピール「2025年大阪・関西万博を契機とした四国一体としての観光振興に向けて」を採択し、四国の経済界が官民一体となった観光振興により一層取り組んで行く試みがスタートしました。
一方、出生率の低下に加えて若者世代、特に女性の県外流出が顕著になってきています。新しい県立文化ホールをはじめとした街づくり構想も進展してはいますが、まだまだこれからというところであり、四国の県庁所在地として見劣りする状況にある事は否めません。いかにして魅力ある街徳島を創造していくかが急務であるといえます。
こうした状況下ではありますが、経済人として新しい日本・徳島の構築に全力を捧げ、様々な活動を通じて徳島経済の持続的な発展につなげていきたいと考えています。
本年度の主な活動として、3月に「長崎スタジアムシティ・佐賀アリーナ」の視察を行いました。それを受けて魅力ある街づくりの一環として、スポーツイベント・コンサート等各種イベントに加えて、災害避難拠点としての機能も含めた「アリーナ建設早期実現」に向けた提言活動を行いたいと考えています。
また、8月末には、4年ぶりに「四国地区経済同友会会員合同懇談会」が本会主催で開催されます。「スポーツで四国を元気に」をメインテーマとして、四国地区経済同友会の仲間たちと議論・意見交換を行う予定です。
本年のスローガンは「観光・防災・多様性で未来へつながる徳島経済」とし、日本を取り巻く政治・経済・安全保障などの環境が大きく変化し、歴史的な転換点に立っているいまこそ、地方が世界とつながり、新しい時代を創造し、未来へ挑戦する経営者としての役割を発揮することが大事であると考えています。
調査研究活動を通じ、徳島経済の持続的発展に寄与していくことに加えて、四国四県をはじめ全国各地の経済同友会との連携を強化し、民間と行政を紡ぐ結び目となり、魅力ある街徳島、活力ある徳島経済の創造に向け挑戦していく方針です。
事業目標
- 地域社会の重要課題について考える
- 調査・研究活動(委員会活動)を通して政策提言を実施する
- 全国各地の同友会や諸団体、自治体、大学との交流・連携を深める
- 会員の拡充をはかり、会員相互の啓発向上と親睦に努める