10月11日(金)13時から、米子市の米子市文化ホールにおいて、第117回西日本経済同友会会員懇談会が開催された。中部から九州までの18の経済同友会から約550人の会員関係者が参加し、本会からは岡田代表幹事をはじめ計9名が参加した。
合同懇談会に先立ち、西日本経済同友会代表幹事会が開催され、次回の概要や、海外への調査団の派遣など同友会活動の海外とのかかわりについて話し合われた。
交流懇談会では、「小さいからできる人口最少県からのチャレンジ」をテーマに基調講演やパネルディスカッションなどが開催された。
最初に、平井伸治鳥取県知事より「地方から開く新令和時代」と題して基調講演が行われた。鳥取県発の取組みや誰もがいきいきと安心して暮らすことができるふるさと創り、移住者・関係人口の拡大などについて話され、また鳥取の名産品や観光地についてもユーモアを交えながらアピールされた。そのほか、宇宙ビジネスを展開する㈱ALEの岡島礼奈代表取締役より「人工流れ星が生み出す新たな宇宙ビジネス」についてプレゼンテーションが行われた。
その後のパネルディスカッションでは、パネリストに小原利一郎氏(大江ノ郷自然牧場・㈲ひよこカンパニー代表取締役)、山本敬氏(㈱バルコス代表取締役)、柄木孝志氏(㈱LANDSCAPE DESIGN代表取締役)、河越誠剛氏(寿スピリッツ㈱代表取締役)の4人を迎え、ファシリテーターは上定昭仁氏(日本政策投資銀行米国法人代表取締役CEO)、コーディネーターは上田まりえ氏(タレント)が務め、地域活性化策について意見が交わされた。
その後、会場をANAクラウンプラザホテル米子に移し、ウエルカムアトラクションではジャズピアノが披露され、懇親パーティーでは、鳥取の海の幸や山の幸、地酒が振舞われ、充実した会員交流の場になった。
また、前回に引き続き、女性会員の集いが開催され、それぞれの同友会での活動報告を行った。
代表幹事コメント「経済対策の閣議決定について」
経済対策の閣議決定について
一般社団法人 徳島経済同友会
代表幹事 岡 田 好 史
政府は財政投融資を含む財政支出で13.2兆円、事業規模で総額26兆円となる経済対策を閣議決定した。
景気の下押しリスクに備え、経済の好循環を維持していくためにも手厚い対策を打つことは歓迎できるが、財政健全化との両立については丁寧な説明を行う必要がある。
復旧支援、自然災害への対応といった緊急性の高い分野への重点投資や中小企業の生産性向上への支援、さらにポスト5Gの推進、教育現場のICT化などの将来の成長分野への投資が明記されたことは評価する。
同時に、地方の人材不足・中小企業の人手不足といった喫緊の課題に対しても、規制改革や制度改革を推進し、地方への新たな人の流れを強力に支援していただくことを期待する。
今後、予算への組入れと確実な予算執行を求めるとともに、国民に対しては費用対効果の検証と説明責任をしっかりと果たしていくべきである。
代表幹事コメント「2020年 年頭所感」
2020年 年頭所感
一般社団法人 徳島経済同友会
代表幹事 岡 田 好 史
明けましておめでとうございます。
2020年の新春を迎え、謹んでお慶び申し上げます。
また、会員の皆さまにおかれましては、徳島経済同友会の諸活動に対し、日頃から一方ならぬご支援・ご協力を賜り厚く御礼申し上げます。
さて、世界経済は、大きなリスク要因とされていた米中貿易協議が進展をみせたほか、ブレグジット問題も「合意なき離脱」となる可能性がほぼなくなり金融市場は落ち着きを取り戻してはいるものの、先行きは依然不透明であり、その帰趨を今後も注視していく必要があります。また、香港情勢問題等の地政学的リスクや中国経済の動向などの懸念もあり、世界経済を巡るリスクは引き続き大きいと思われます。
国内経済は、海外経済の減速などの影響から輸出・生産や企業マインド面に弱めの動きがあるものの、消費税率引き上げ後の個人消費も持ち直し、景気は緩やかな拡大が続いています。また、先行きについてもその基調が続くとみられています。ただ、課題は山積しており、財政再建や社会保障改革、大規模災害への対応といった待ったなしの対策をはじめ、何よりも少子高齢化・人口減少を受け入れた社会システムの再構築という大きな課題に取組んでいかなければなりません。さらに、グローバル化が急速に進む今日では、世界的なデジタル化の流れの中、わが国においてもデジタル経済推進の柱となる次世代通信5Gへの対応を急ぐ必要があります。また、SDGsが掲げるジェンダー平等、環境・気候変動、農業・食料、健康・医療等の社会的課題に対しても事業を通じて率先して取り組み、企業価値の向上に繋げていく姿勢が求められています。
このように内外情勢は大きく変化していますが、徳島県内においては、本年8月のそごう徳島店閉店による中心市街地のさらなる衰退懸念、若者の県外流出による人口減少、中小企業の人手不足など、地方が抱える構造的な問題が顕現化してきており、これらの課題に対し今まで以上に取組みを強化していく必要があります。そして、本年開催される東京オリンピック・パラリンピックや2025年の大阪・関西万博といった国際的なイベントが国内で開催されることは、訪日外国人の増加等が期待され地域活性化の絶好の機会と捉えることができるため、観光客やインバウンドの誘客に取組んでいくことが重要です。
本会としてはこれらの課題に対応すべく、今一度徳島の魅力を再発見し発信すると同時に、AIやIOT等のデジタル化における最先端の技術や産学官の協働した取組みについても引き続き調査研究の深度を高めてまいります。また、徳島の強みである女性活躍のさらなる推進や四国が一体となって取り組むべき課題に対しても具体性のある知見や成果をとりまとめ、社会へと発信してまいります。
本年は「子」年です。相場の格言では「子は繁栄」と言われています。皆さま方の益々のご繁栄をお祈り申し上げますとともに、引き続きのご支援を賜りますよう、よろしくお願い申し上げます。
2019年度全国経済同友会事務局長会議(2019.9.12)
9月12日(木)15時から鹿児島市の城山ホテル鹿児島において全国経済同友会事務局長会議(幹事:鹿児島経済同友会)が開催された。
まず、鹿児島経済同友会水流事務局長による開会宣言、津曲代表幹事による開会挨拶があり、続いて新任事務局長の紹介(今回9名)が行われた。
議事については第32回(2019年)全国経済同友会セミナーの収支報告、第33回(2020年)全国経済同友会セミナーの企画案、2020年度事務局長会議の開催地・日程、2019年度全国経済同友会代表幹事円卓会議などについて報告された。
また東京の経済同友会から、木材利用推進全国会議(仮称)設立の趣旨説明、全国の経済同友会へのアンケート協力依頼など3件の報告がなされた。
続いて、島津忠裕氏(島津家三十三代 株式会社島津興業代表取締役社長)が「幕末維新の薩摩」と題して講演され、世界文化遺産「明治日本の産業革命遺産」の概要や第28代当主島津斉彬の近代化事業について紹介された。また、「斉彬時代の近代化は失敗に次ぐ失敗の連続であったが、薩摩藩の技術者には『できる』という意志がまず存在し、失敗の原因を徹底的に究明し、ついには完成させた。ものづくり大国日本の原点がここにはある」と述べられた。
翌日は鶴丸城御楼門建設現場を視察。御楼門を観光振興とまちづくりの新たな起点とするべく、鹿児島経済同友会を中心とする有志が6年程前から再建への寄付金を募った。その後、行政も巻き込んだ官民一体連携事業となり、2020年春の完成を予定している。現在、城跡には建造物は存在しないが、石垣には西南戦争で浴びた砲弾の痕が生々しく現在も残っており、歴史も感じる大変有意義な視察だった。
次回2020年度は、神戸で開催予定である。
2019年度海外研修事業実施(2019.9.12~9.23)
◇2019年度海外研修事業
■ 日時 2019年9月12日(木)~9月23日(月)
■ 場所 ドイツ・オーストリア・チェコ
■ 研修目的 ①先端技術を活用した最新の工場を見学し、AIやロボットが普及した未来社会
を考える。
②ドイツ・東欧の古い街並みを活かした観光政策を学び、徳島の観光や街づくり
のヒントを探る。
③訪問する各都市の自然・歴史・文化に触れ、自らの啓発につなげる
第31回目となる2019年度の海外研修事業は、昨年に続き本事業を検討するための会議の開催を全会員に案内し、多くの会員の皆様の意向を反映した研修事業となるよう考えました。また、訪問先についても、調査・研究組織の各委員会のテーマに沿った訪問先を抽出し準備しました。
複数回の検討会議の結果、先端技術の活用が進んだ工業大国のドイツ、観光の分野で魅力ある美しい街で有名な東欧諸国を訪問地とすることに決定いたしました。9月12日から9月23日までの12日間、団長を岡田代表幹事、副団長を坂田代表幹事が務め、前回より2名多い総勢21名で実施いたしました。ドイツ・東欧方面は過去4度の訪問実績があり、直近では2012年に催行していますが、今回は、重複する訪問先はなく、新しいドイツ・東欧の魅力に触れることができました。
今回の海外研修事業のポイントを整理してみると、
1. 昨年に続き調査・研究組織である委員会のテーマを視察目的としたこと
2. 女性の参加者比率が高かったこと
3. バスによる移動が比較的多かったこと
4. 天候に恵まれたこと
などが挙げられます。全般を通していろいろなことを学び、自然・文化・歴史を十分に体感できたと思います。
行程に沿って主要な視察・訪問先を紹介してみたいと思います。まず、最初の訪問国でありますドイツは、工業大国として知られ、またその中でも主要産業が自動車産業であることはよく知られています。今回シュツットガルトのメルセデスベンツ自動車工場を訪問、先端技術を活用した現場を視察し、改めて人間と先端技術の関係や、役割について考えさせられました。一方ドイツ・東欧諸国は音楽文化の面からも有名な作曲家を輩出するなど世界的にも中心といえる地域で、モーツァルトの縁の地でありますアウグスブルクは特にその影響が色濃く残っているように感じました。
ドイツとオーストリアの国境の町ザルツブルクでは、水辺の美しい街、世界遺産「ハルシュタット」が印象的でした。日本で例えると京都・丹後半島の伊根町を大きくしたような場所ですが、多くの観光客を引き付けている街並みの保存は見習う点が多いと思います。
オーストリアのウイーンでは、ジェトロウイーンから同国の政治・経済全般にはじまり、本会の委員会テーマに関する各種施策について講義を受け多くのヒントをいただきました。同時にウイーンでは、国立歌劇場でのオペラ鑑賞や楽友協会のコンサートなどのオプション企画もあり、本場の高い音楽文化に触れることができ極めて有意義でした。地元徳島も地域ならではの「阿波踊り」「人形浄瑠璃」などの歴史ある文化に磨きをかけ、継承していくことの重要性を痛切に感じた次第です。
最後の訪問国チェコでは、「世界で一番美しい街」と言われ、観光客の人気が高いチェスキー・クルムロフを経由しプラハ市内を訪れました。ヨーロッパで最も美しい街並みの一つといわれているプラハの旧市街地は多くの観光客でにぎわっていたのが印象的でしたが、名所「カレル橋」の観光客の多さは、いろいろ考えさせられるものがありました。
最後になりますが、今回の海外研修事業が全員無事に、大きなトラブル無く終了できましたことに対し、参加された皆様全員に改めて感謝いたしますとともに、今後の海外研修事業を更により良いものにしたいと考えますので、会員皆様のご協力よろしくお願いいたします。
ドイツ・東欧最新動向セミナー開催(2019.8.28)
四国新幹線整備促進期成会東京大会(2019.8.22)
8月22日(木)11時から、都内の東京プリンスホテルにおいて、四国新幹線整備促進期成会東京大会が開催され、四国内外より約500人が参加し、本会からは岡田代表幹事が出席した。
大会では、四国新幹線の実現に向けて、基本計画から「整備計画」への格上げに向けた調査を実施する費用を国に求める決議などが採択された。徳島県からは海野副知事が出席し、あいさつのなかで「四国新幹線は、将来の国土づくりに必要不可欠なインフラである」と述べた。
また、東京と大阪を結ぶリニア中央新幹線が開業する2037年に合わせて四国新幹線の開業をめざすという中長期目標も初めて採択された。今回で大会は3回目となるが、千葉会長は、「早ければリニア新幹線が大阪まで来る2037年までには四国新幹線を一部でも作っておきたい」と述べ、国は費用が抑制できる単線方式での費用や効果も視野に入れて検討している。
午後には、千葉昭会長や四国選出の国会議員などによる要望活動として、国土交通省や財務省などに要望書を手交した。
第28回四国地区経済同友会交流懇談会(2019.9.6)
9月6日(金)13時30分から、松山市のANAクラウンプラザホテル松山において、第28回四国地区経済同友会交流懇談会が開催された。四国4県の同友会から147名の会員関係者が参加し、本会からは岡田代表幹事をはじめ計10名が参加した。
交流懇談会に先立ち、四国地区経済同友会代表幹事会が開催され、愛媛経済同友会から、本日の交流懇談会において取りまとめる、共同アピール(案)「2025大阪・関西万博で四国遍路を発信」について説明がなされた(共同アピール後掲)。また本会岡田代表幹事より、第29回四国地区経済同友会交流懇談会の日程や概要について報告された。
その後の交流懇談会では「地方創生への取り組み」をメインテーマに基調講演やパネルディスカッションが開催された。
基調講演では、吉澤保幸氏(一般社団法人場所文化フォーラム名誉理事)が「令和時代の地方創生へのアプローチ~ローカル、若者、いのちが主役の時代へ~」と題して講演された。講演では、昭和、平成の地域創生へのアプローチの振り返り、そして令和時代のアプローチ方法について紹介があった。また、SDGsを地域課題と地球課題をつなぐ共通言語であると捉え、地球規模の問題を解決するには、我々の暮らしの現場から共感を生んでいく必要があると語った。
パネルディスカッションでは、片岡明氏(愛媛経済同友会幹事・㈱日本政策投資銀行松山事務所長)がコーディネーターをつとめ、3人のパネリストによって意見が交わされた。その中で、地域と同じ目線で同じ問題を共有し、地域の人たちと一緒になって課題を解決していく「地域マン」をつくる必要があるといった意見が出された。
その後、西川義教氏(愛媛経済同友会代表幹事)から、共同アピール(案)の発表があり、また土佐経済同友会からは、2020年全国セミナーのPRがあった。最後に、次回開催地である本会の岡田代表幹事が、第29回四国地区経済同友会交流懇談会の日程や概要を報告され、他の経済同友会へ積極的な参加を呼び掛けた。
夏季経済講演会開催(2019.7.24)
7月24日(水)14時から、阿波観光ホテルにおいて、毎年恒例の夏季経済講演会が開催された。講師には、一般社団法人日本経済協会理事長で早稲田大学名誉教授の田村正勝氏を迎え、『2019年下期の景気見通しー減速下振れで不可欠な中小企業の連帯をー』と題して講演いただいた。本会からは岡田、坂田両代表幹事をはじめ49名(一般参加者含む)が参加した。
最近の大手企業による不祥事や所得格差問題、また欧米諸国と同様のナショナリズムへの危険性の提唱、抜本的財政改革の必要性についてもお話いただいた。質疑応答では岡田代表幹事が、先日の参議院選時に脚光を浴びたMMT(現代貨幣理論)に対する考え方について聞くと、「自分とは少し考え方が違う。現在インフレにならないのは、格差が開き、アンフェアな社会構造だからだ。もし80年代に今の状況ならハイパーインフレに陥っているだろう」と述べた。
第6回西日本経済同友会代表者会議(2019.7.18)
7月18日(木)13時30分から、大阪市のラグナヴェールプレミアにおいて、第6回西日本経済同友会代表者会議が開催された。西日本18の同友会が集まり、本会からは岡田代表幹事、島事務局長の2名が参加した。今回は①子どもの貧困に対する経済界のかかわり②大阪・関西万博の概要と各地からの期待の2つをテーマに議論を行った。池田博之氏((一社)関西経済同友会代表幹事)の挨拶で開会し、休憩をはさみながら2つのセッションに分けて討議が行われた。
◇討議①子どもの貧困に対する経済界のかかわり
まず、宮川正氏((一社)関西経済同友会2018年度子どもの未来委員会委員長)による問題提起が行われた。引き続き事例発表として、(一社)香川経済同友会からは2018年4月の提言書「子どもの貧困について」の報告、(一社)神戸経済同友会からは一般財団法人大吉財団の活動報告が行われた。
◇討議②大阪・関西万博の概要と各地からの期待
櫟真夏氏(2025年日本国際博覧会協会副事務総長)から「2025年大阪・万博誘致と今後について」というテーマで概要説明がなされた。これまでの万博の歴史や、1970年の大阪万博との比較について説明があり、1970年の大阪万博では、最新技術そのものがレガシーとなったが、今回はどのような「レガシー」を残すのか議論が必要であると説明された。また、ビッド・ドシエ(立候補申請文書)に掲載したパビリオンの構成案や企業・市民の参加方法案についても説明があった。
◇議長まとめ
まず討議①に関しては、子どもの貧困についての情報を共有するプラットフォームを設置するなどして、認識を深めることが肝要であるとし、これは日本の貧困にもつながる問題であ
り、地域創生や経済活力の向上という視点でも取り組むべき課題であるとした。討議②は、万博に先立つ2020年東京オリパラとも連携していくことが望ましく、万博レガシーや開催成果については、長期目線で価値を測る必要があるとした。また、パビリオンでは、新しい出展スタイルが検討されており、この万博を関西の復権のみならず西日本全体が活性化するきっかけとしていきたいとまとめた。
最後に、本年10月に開催される第117回西日本経済同友会会員合同懇談会や来年度以降の合同懇談会について各同友会から報告があり、深野弘行氏((一社)関西経済同友会代表幹事)の挨拶で閉会となった。