2025年 年頭所感
一般社団法人 徳島経済同友会
代表幹事 長 岡 奨
明けましておめでとうございます。
2025年の新春を迎え、謹んでお慶び申し上げます。また、会員の皆さまにおかれましては、徳島経済同友会の運営と活動に対し、日頃から暖かいご理解とご支援を賜り厚く御礼申し上げます。
さて、昨年は上半期から歴史的円安水準が到来、日経平均株価が一時4万円を突破しバブル後の最高値を更新しました。その後、慎重な展開が続く中、20年余りに及ぶデフレ・スパイラルの出口にようやく差し掛かっているといえます。現状維持にとどまり、なるべく動かず耐え続けることが最適解だったデフレの時代が終わりを告げ、動かずにいれば、自ずと負けていくインフレの時代を迎えつつあるように感じます。しかも地球規模の地政学的な地殻変動が自由貿易を後退させ、サプライチェーンの人為的な組み換えは経済活動に新たなコストを強いており、世界的なインフレ圧力は、しばらく弱まることはないと思われます。
また、大きな出来事として10月に実施された衆議院議員選挙において、政権与党の獲得議席が過半数を下回ったことが挙げられます。与党が過半数を割り込むのは2009年の民主党政権誕生以来15年ぶりとなります。今後の政権運営においては、与野党一体となって有権者の政治に対する不信感を払拭し、国内外に山積する諸問題の解決に加え、国民の信頼を回復するための努力をお願いしたいと思います。
スポーツ界においては、「パリ:オリンピック・パラリンピック2024」でのチームジャパンの活躍で大いに盛り上がりました。また、世界的に野球、サッカー、バスケットボールでの日本人選手の活躍など、大きな勇気と感動を与えてくれました。徳島県内では初のプロバスケットボールチーム「徳島ガンバロウズ」が、B3リーグ4位の成績を挙げ今期の活躍が注目されているところでもありますが、サッカーJ2「徳島ヴォルティス」、四国アイランドリーグPlus「徳島インディゴソックス」とともに、徳島を活性化する一翼を担うことと期待しています。
次に、本会の活動についてですが、阿波女活躍・ダイバーシティ推進委員会のメンバーを中心として、四国経済連合会:人口減少対策委員会と「第1回四国女性活躍フォーラム」を第4回阿波女活躍サミットとの共催により徳島市で開催しました。56組の男性上司と女性部下によるワークショップの反響は非常に大きく、今後の活動に大いに参考となったものと思います。また、文化・スポーツ委員会では、3月に長崎スタジアムシティ・佐賀アリーナの見学ツアーを実施する予定であり、徳島での早期アリーナ建設に向けた提言活動に取り組みたいと考えています。他の委員会でも勉強会、講演会等々課題・研究テーマに向けての積極的な活動を継続いただいております。
昨年の「海外研修事業」では、オリンピック・パラリンピック2024で盛り上がるフランス・パリ経由、スイスの各都市を訪問しました。世界トップクラスの実力を有するスイス経済力の源泉、伝統産業である食品産業、精密機械工業の歴史と現代に継承されるイノベーションとテクノロジー、およびブランド戦略、また、豊かな観光資源を背景とした観光戦略、環境対策について学んできました。
そして、本年はいよいよ大阪・関西万博EXPO2025が4月13日日曜日に開幕いたします。本会でも見学ツアーを企画中ですが、是非とも四国全体が一体となって盛り上がりたいものと思っております。
本年の干支は「乙巳(きのとみ)」です。「乙(きのと)」は発展途上の状態を表し、「巳(み)」は植物が最大限まで成長した状態を意味するといわれています。本年は多くの人々にとって成長と結実の時期となり、その努力が実を結ぶ年であることに期待したいと思います。
結びとなりますが、日本を取り巻く政治・経済・安全保障などの環境が大きく変化し、歴史的な転換点に立っているいまこそ、新しい時代を創造・挑戦する経営者としての役割を発揮することが大事であると考えます。
会員の皆さま方の益々のご繁栄をお祈り申し上げますとともに、本会に対し引き続きのご支援をお願いいたしまして、新年のご挨拶とさせていただきます。