3月2日(木)15時から、高知市において第9回四国新幹線に関する検討会が開催された。四国各県の経済同友会の新幹線を所管する委員会のメンバーを中心に総計47名が出席した。本会からは三好代表幹事ならびにインフラ・防災委員会の越智委員長、廣瀬副委員長、森高事務局長の4名が出席した。冒頭、土佐経済同友会の佐竹代表幹事が開会の挨拶をされ、「四国は全国で唯一の新幹線の空白エリア。地方創生を進める上で重要なインフラであり、交流人口の増加による観光振興、経済振興をもたらす。防災面からもメリットは大きい。ただ、無関心な層が多いことも実感している。本日の会議は、今後四国一体となって整備計画への格上げ~将来の開通を目指す中で非常に重要である」と述べた。
<議題1>
四国新幹線整備に関する最近の状況
四国旅客鉄道㈱専務取締役鉄道事業本部長の長戸氏より説明があった。昨年開業した西九州新幹線を例に挙げ、長崎駅周辺のまちづくりや官民一体となった取り組みを紹介し、「4月に行われる長崎での全国セミナーに参加し現地の空気を実感して欲しい」とした。また、効果的・効率的な新幹線の整備手法や規格についても言及され、「ミニ新幹線では時間的メリットがなく、既路線の長期運休を必要とするため現実的でない。標準軌新線(単線新幹線)が現状ではいいのではないかと考えている」とした。いずれにせよ、「新幹線は政治で決まる。国を動かすには地元の機運の盛り上がりが欠かせない」と述べた。
<議題2>
各経済同友会における活動状況報告
本会の越智委員長は、「徳島は地理的に大阪に近く、県も紀淡海峡トンネル、大阪~徳島直通ルートを推進している。また地域の盛り上がりにも欠け、活動にとまどいがあるのが実情。ただ、新幹線の必要性は認識しており、皆さんの意見を参考にし、行政の方向性も見ながら地道に取り組んでいきたい」と報告した。
香川経済同友会からは「年に一回、岡山との交流会を実施している。岡山側のメリットを説明しているがなかなか理解してもらえない」等報告があった。
愛媛経済同友会からは「愛媛松山は俳句のまち。機運を高めるために新幹線俳句コンテストを計画している」等報告された。
土佐経済同友会は、国交省鉄道局への陳情や「四国に新幹線を夏まつり」などこれまでの取り組みを紹介し、「昨年、「合同会社四国に新幹線」を設立し女子野球チームを作った。今春から中四国リーグに参加するが、勝ち上がっていけば新幹線の機運も高まっていくと期待している。また、高知駅前にN700新幹線の先頭車両(実車両)を設置する構想を持っており、県や市と協議しているところ」等非常に興味深い報告があった。
活動状況報告後、四国経済連合会専務理事の大西氏(香川経済同友会四国新幹線導入推進特別委員会所属)から、これまでの四経連の取り組みについて説明があり、今後については「シンポジウムを開催するのではなく、各県の新幹線啓発イベントを援助する形で行い、地域の盛り上がりにつなげたい」と述べた。
その後意見交換に移り、岡山駅や新大阪駅の実情等様々な隘路も含めて幅広く活発な意見交換が行われ、愛媛経済同友会の野本代表幹事の閉会の挨拶を以って第9回の検討会を終えた。