平成30年5月18日(金)、和歌山市の和歌山県民文化会館小ホールにおいて、シンポジウム「未来を創る交通インフラ」が開催された。これは、徳島、和歌山、大阪、兵庫、奈良の1府4県の知事で構成する「関空・紀淡・四国高速交通インフラ期成協議会」が主催したシンポジウムで、関係者や一般聴衆約350人が参加した。
まず、第1部の基調講演では、藤井聡氏(内閣官房参与・京都大学院工学研究科教授)が「紀淡海峡ルートと四国新幹線の早期実現を」と題して講演し、経済成長に見込みがある和歌山や徳島でのインフラ整備は採算性が高く投資効果に期待が持てることを説明し、6月の経済財政諮問会議を前に、四国新幹線事業に対する国の予算拡大に向けた重要な局面を迎えていると強調した。また、災害対策の観点からも、和歌山と徳島の交通インフラを整備しておくことは国土の強靭化にもつながると語った。
続いて第2部のパネルディスカッションでは「未来への投資としての高速交通インフラ整備」をテーマに、和歌山県知事の仁坂吉伸氏がコーディネーターとなり、飯泉嘉門徳島県知事や竹山修身堺市長、波床正敏大阪産業大学工学部都市創造工学科教授ら5人がパネリストを務め、意見を交わした。そのなかで、飯泉徳島県知事は、「ポイントは、関西国際空港を核として四国や関西が急増するインバウンドをいかに引き受けていくかである」として、徳島市を経由して大分市までを結ぶ四国新幹線の実現とその将来性について訴えた。