4月13日(木)13時から、長崎市の出島メッセ長崎において、第35回全国経済同友会セミナーが開催された。今回は、「経済人として安全保障にどう向き合うか」を総合テーマに掲げ、全国44経済同友会からおよそ1,100名の会員が参加し、本会からは三好代表幹事、三木代表幹事をはじめ、計11名が参加した。
オープニングでは、市川晃氏(全国経済同友会セミナー企画委員会委員長)が開会挨拶を行い、「経営者は国そのものの安全保障や、その裾野における経済安全保障に関する感度を高め、様々なリスクを考えながら経営の舵取りをしていく必要がある」と述べ、今回のセミナーはこうした問題意識に基づき3つのパネル討議で構成、それぞれの目的について説明された。続いて森拓二郎氏(長崎経済同友会代表幹事)が歓迎の挨拶を述べ、来賓の大石賢吾氏(長崎県知事)が祝辞を述べられた。
その後、休憩をはさみながらパネル討議が行われた。
①パネル討議(第1セッション)
テーマ:「世界を取り巻く安全保障の現状と今後の国際秩序形成への課題」
②パネル討議(第2セッション)
テーマ:「サプライチェーンにおける経済安全保障」
各パネリストによる白熱した議論が展開された。
パネル討議終了後は、懇親会があり、全国の経済同友会のメンバーと懇親を図った。
2日目は、早朝から3つ目のパネル討議が行われた。
③パネル討議(第3セッション)
テーマ:「企業・経営者は安全保障にどう向き合うか」
パネル討議終了後、櫻田謙悟氏(経済同友会代表幹事)が総括され、「経済安全保障と安全保障は表裏一体。我々企業経営者は情報を収集し、決断し、そして行動していくことだ」と述べられた。
総括の後、特別公演が行われた。
<特別公演>
講師:髙田旭人氏(㈱ジャパネットホールディングス代表取締役社長兼CEO)
演題:「民間主導の地域創生モデルについて」~長崎スタジアムシティプロジェクトにかける想い~
講演では、ジャパネットグループが展開するスポーツ・地域創生事業を中心に現在の取り組みについての話があった。サッカーとバスケットボールのプロチームを100%子会社で運営している。そして現在「長崎スタジアムシティプロジェクト」を進めている。スタジアム(約20,000席)、アリーナ(約6,000席)、ホテル(243室)オフィス、商業施設の建設が進んでおり来年10月に完成する見込み。カフェ、レストランはもちろん温泉施設も設置する。試合がない時は、レーザーショーやプロジェクションマッピングなどの工夫を凝らす。そして長く滞在してもらえるような施設、交通渋滞緩和のためにも車では来たくないような施設を目指している。そして髙田氏は、「今回の投資により収益が上がっていることを証明できた時には、各地域から見学にきていただき、それぞれの地域へ波及していけばと思っている。私ども民間企業が取り組むこのプロジェクトに興味を持っていただけるとうれしい」と話された。
また、最後に同社が取り組んできた「働き方改革」についても触れ、週3日の「ノー残業デー」やシニアを対象とした「セカンドライフサポート制度」などの取り組みを紹介し講演を終えた。
エンディングでは、次回開催地の福井経済同友会代表幹事の林正博氏、長崎市長の田上富久氏から挨拶があり、最後に、長崎経済同友会代表幹事の東晋氏が「今回は3つのセッションに分けて議論していただいた。答えがすぐには出せない大きなテーマであるが、皆様方には大いに参考になったことと確信している。また、長崎スタジアムシティプロジェクトについては産官学オール長崎で盛り上げていきたい」と閉会の挨拶を述べられた。
参加した会員は、長崎スタジアムシティプロジェクトを中心に再開発が進む長崎の活気を実感し、大きな刺激得た大変有意義な全国セミナーとなった。