7月30日(木)、徳島県庁内に、消費者庁の恒常的な拠点となる「新未来創造戦略本部」が開設され、県庁前で看板の除幕式などが行われた。衛藤晟一消費者行政担当相や伊藤明子消費者庁長官、飯泉嘉門徳島県知事らとともに、本会からは、消費者庁等移転推進協議会会長として岡田代表幹事が出席した。
「新未来創造戦略本部」は、2017年に試行的に設けた「消費者庁行政新未来創造オフィス」を拡充し、恒久拠点化したもので、消費者政策の国際共同研究などを手掛け、首都圏災害時には代替拠点として機能することも期待されている。伊藤長官がトップの本部長を兼任、常駐の本部次長には日下部英紀審議官が就き、約60人の職員でスタートする。年度末までには80人に増員予定である。
徳島オフィスのプロジェクトを引き継ぐほかにも、消費者行政の研究や国際的な共同研究・交流などの機能を持つ「国際消費者政策研究センター」も新たに設置される。また、新型コロナウイルス感染拡大による消費者行動の研究や、SNSを活用した消費生活相談の実証なども手掛ける。本会の岡田代表幹事は新聞の取材に対し、「戦略本部になって国際会議や政策研究などの新業務が加わり、今まで以上の連携・サポートや国内外に向けた発信が求められる」との見解を示した。
衛藤消費者行政担当相は、新未来創造戦略本部を消費者政策の立案拠点と位置付けており、開設式では「役所の中核機能が地方に移転することは極めて意義深い。先進的な意義を果たす役割は大きく、拠点の最初の職員として大きな使命を達成していただきたい」と職員に訓示した。また、飯泉嘉門徳島県知事は、「戦略本部から新たな政策を打ち出して、消費者省へと拡大するよう期待する」と述べた。
政府は2023年度に、地方創生への効果など総括的な評価を行う予定である。それまで本会も、全面移転の実現に向け協力していきたい。