事業方針

2024年度事業計画

「未来を創る、挑戦する徳島経済」

 

基本方針

 世界的なパンデミックをもたらした新型コロナウイルス感染症は、2023年5月に感染法上の位置づけが「第5類」に変更となった。ようやく、行動制限のない世界が戻り、国内の観光地は、インバウンドの復活もあって、かつての賑わいを取り戻しつつある。

 一方で、ロシアによるウクライナ侵攻は、依然として事態の終結に向けた道筋が見えにくい状況が続いており、10月以降にはパレスチナ・イスラエル間の紛争が発生、地政学的な地殻変動が懸念されている。そして、日本国内では1月に石川県能登半島地方が地震で大きな被害を受けるなど、大規模災害も発生している。また、世界的なインフレーションは、「失われた30年」のデフレ経済に慣れ切った私たちにとって突然の物価上昇の波を及ぼしている。

 徳島県内に目を向けると、教育や新事業創出といった分野において、起業家の育成に主眼を置いた「神山まるごと高専」が4月に開校。スポーツの分野においては、徳島県初のプロバスケットボールチーム「徳島ガンバロウズ」が本格的に稼働した。これらの新たな動きが徳島を活性化し、地方創生の一翼を担うことが期待されている。

 一方で、出生率の低下と若者世代の県外流出による人口減少や少子高齢化問題は、大都市圏に比べて進行が早く、従前からの構造的な問題は山積されたまま解決の糸口すら見えない状況下にある。官民一体となった抜本的な少子化対策に加えて、イノベーションの創造、観光誘客、交流人口の増加等、将来を見据えた取り組みが急務と言える。

 こうした状況下で、徳島経済同友会は、経済人として新しい日本・徳島の構築に全力を捧げ、様々な活動を通じて徳島経済の持続的な発展につなげていきたいと考える。

 本年度の主な活動として、昨年から再開となった「海外研修事業」では、8月末から9日間の予定でスイスを訪問する計画である。世界トップクラスの実力を持つ欧州の小国、スイス経済と産業構造を学び、イノベーションやテクノロジー、整備されたインフラ、高い生活水準等様々な観点から考察を行いたいと考えている。また、「調査・研究活動」では、各委員会において、国内視察の再開と政策提言活動の活性化を検討していきたい。

 2025年には「大阪・関西万博」という一大イベントがあり、徳島の認知度を高める絶好の機会が控えている。これまで以上に関西経済同友会ならびに四国地区経済同友会と連携し、一致協力した取り組みが望まれる。

 本年のスローガンを引き続き「未来を創る、挑戦する徳島経済」とし、日本を取り巻く政治・経済・安全保障などの環境が大きく変化し、歴史的な転換点に立っているいまこそ、新しい時代を創造・挑戦する経営者としての役割を発揮することが大事であると考える。

 徳島経済同友会では調査研究活動を通じて、課題解決に向けた政策提言を積極的に行っていく。加えて、四国四県をはじめ全国各地の経済同友会との連携を強化し、民間と行政、現役世代と若者等異なった主体を紡ぐ結び目となり、魅力ある持続可能な地域社会、活力ある徳島経済の創造に向け挑戦していく方針である。

事業目標

  1. 地域社会の重要課題について考える
  2. 調査・研究活(委員会活動)を通して政策提言を実施する
  3. 全国各地の同友会や諸団体、自治体、大学との交流・連携を深める
  4. 会員の拡充をはかり、会員相互の啓発向上と親睦に努める