2025年7月3日(木)13時30分から、恒例の夏季経済講演会が開催され、本会からは長岡・三木両代表幹事をはじめ36名が参加されました。
円安、実質賃金、買い叩きなど、景気低迷の根本要因と考えられる項目について、様々な角度の視点から講演いただきました。
<講演要旨>
【賃金および家計消費の“持続的な実質低下“】
GDP、賃金などの伸びが消費者物価と同程度の伸びであり、賃金に実質下回っている。
【機械を増やしても生産性伸びず】
労働装備率は上昇しているが、労働生産性は低下傾向にある。中小企業の生産性が低下している。
【「所得格差と金融経済」による超長期不況】
円安による「大手企業の最高益」と「中小企業の倒産」。収益格差と賃上げ率の格差拡大など改善すべき問題が山積している。
【貧困世帯の減少が不可欠】
中小企業賃金、最低賃金アップのためには、買い叩きの抑制と少子化緩和が不可欠である。
【国内空洞化と国際収支の激変・・カネは海外へ逃避】
全国民所得がトップ1%に集中し、資金の海外逃避が起こっている。
【場当たり的な財政悪化策から脱却の秋(とき)】
膨らむ場当たり財政で、税収は伸びても膨張一方の財政赤字。立て直しには、税制の見直しと相続税・贈与税免除もしくは同軽減税率の無利子100年国債での抜本的改革が必要。
【複雑な中国とEUの諸問題およびアメリカの景気回復と日本の「円安不況」】
脱出が難しい中国の不動産不況。EU諸国の景気低迷とポピュリズムおよび左派への揺り動き。アメリカの今後、景気回復に対する不透明感。異次元金融緩和策の超弊害の続く日本経済の見通しは厳しく、中小企業の連携・拮抗力、大手による買い叩きの禁止、下請け買い叩きの方向転換などが必要である。
景気低迷の要因について多角的・広範囲にお話しいただき、参加会員一同、大変勉強になる講演会となりました。