2024年7月3日(水)13時30分から、恒例の夏季経済講演会が開催され、本会からは長岡・三木両代表幹事をはじめ30名が参加されました。
2024年の景気見通しを①持続的な実質賃金低下②ITの効用と危険性③日本の「再エネ」遅れと「原発問題」④世界の混迷などの視点から講演いただきました。
<講演要旨>
【持続的な実質賃金低下】
「実質賃金の低下が続き円安による貿易赤字拡大と合わせて修正が求められるなか、政財界も日銀も協力して一連の不況メカニズムを修正すべきである。」
「税収は3年連続で伸びているが、政府の借金は7年連続過去最大を更新し、日銀の国債保有率も過去最大で発行残高に占める割合が5割超という異常事態である。」
【ITの効用と危険性】
「通常の仕事がAIで代替される状況が進めば、労働者6人に1人が貧困化するという可能性をOECD経済協力開発機構が推定している。」
【日本の「再エネ」遅れと「原発問題」】
「温室効果ガスは、EUは減少し日本は増加している。日本は、石炭火力発電からの脱却に対しても全般的な温暖化対策に対しても意識は高くない。原発の危険性への再認識必要。」
【世界の混迷】
「世界の混迷スポットが増加(ウクライナ・ロシア、アフリカ諸地域、イスラエル・ハマス戦(ガザ))している状況である。」「EUと中国ともに景気回復遅れており、アメリカも不安定な状態。」
など、今年の景気見通しは厳しい状況にあり、抜本的財政改革(無利子100年国債導入など)を担う政府から独立した組織が日本にも不可欠と考える。(OECD加盟38カ国の8割で政府から独立した「財政長期予測」を担う組織が存在する)
講演後には複数名からの質問もあり、時間を少々オーバーしましたが、多角的に「景気見通し」に関する時事問題を広範囲に講演いただき、参加会員一同、大変勉強になる講演会となりました。