この度、徳島経済同友会代表幹事という大任を拝命しました阿波銀行の長岡でございます。諸先輩方が築いてこられた伝統の襷を受け取り、大変光栄に存じますとともに、その重責に身の引き締まる思いであります。
初めに、三好代表幹事、2年間本当にお疲れ様でした。コロナ禍という難局のなか、昨年5月には本会「創立70周年記念式典」を多数のご来賓・会員の皆さまにご臨席いただき、盛大に開催する等「withコロナ」「afterコロナ」を見据えた同友会活動を力強く牽引していただきました。本年度の活動スローガンである「未来を創る、挑戦する徳島経済」の精神を受け継ぎ、三木代表幹事とともに徳島の発展に尽力してまいります。
2020年1月に国内で第1症例が確認された新型コロナウィルス感染症は3年の間に8回の感染流行の波があり、我々の日常生活は一変しましたが、本年5月8日から感染症法上の分類が第2類から第5類に引き下げられ、今後は社会経済活動の活性化に向けた動きは加速するものと思われます。現代は、人口減少、気候変動、カーボンニュートラル、ロシアによるウクライナ侵攻による資源高など、次々に課題・問題が生じる混迷を極めた時代です。我々経営者にとって難しい判断を迫られる状況が続くと予想されますが、この機会を好機と捉え成長に繋げていかなければなりません。直面する課題を「我が事」として捉え、従来の経験や常識に囚われることなく、根源的な真実や核心はどこにあるのかを突き詰め、中長期的なビジョンを描きつつ着実に進歩することが重要だと考えています。
県内の景況に目を向けますと、一部の生産に弱い動きは見られるものの、小売・宿泊・旅行は前年を上回って推移しており、総じて景気は持ち直しの方向にあると思われます。本年4月には、全国的に注目されている「モノをつくる力でことを起こす人」の育成をコンセプトとした「私立神山まるごと高等専門学校」が開校、また、「バスケットボールを通じ、徳島から日本を元気にする」ことを目的に、男子プロバスケットボールリーグ(B3)参入を目指した「徳島ガンバロウズ」が正式承認を受け本格活動を開始する等、地域や教育の活性化に向けた明るい兆しが見えつつあります。
こうした状況を踏まえ今年度の本会活動ですが、昨年と同様に積極的な調査・研究活動に加えて、各委員会の目指す政策提言に向けた活発な議論をお願いしたいと思います。加えて発信だけにとどまらず、具体的なアクションをもって徳島経済の課題解決、そして成長に向けたムーブメントを起こしていきたいと考えています。また、11月には16年ぶりに徳島市で第120回西日本経済同友会会員合同懇談会を開催いたします。懇談会・エクスカーションにて観光振興の一翼を担うとともに、四国地区のみならず各地経済同友会ともより一層連携を深めたいと考えております。
地域経済にとって構造的な課題である中心市街地の空洞化や、人口減少への対策に加えて、経済安全保障、カーボンニュートラル・エネルギー問題、SDGsへ対応など、環境・社会問題解決への取り組みは急務であり、サステナブルな視点で徳島経済発展のため、産・官・学が一体となって連携し、豊かで活力ある徳島を創る必要があると考えます。一企業や業種の縛りを離れ、幅広い視野で議論し社会に提言することを使命とする経済同友会に対する期待は高まっており、地域経済を牽引する徳島経済同友会となるよう全力で取り組んでまいります。皆様のご支援、ご指導をなにとぞよろしくお願いいたします。