10月24日(月)15時から、とくぎんトモニプラザ(徳島県青少年センター)において、講師に内閣官房、新しい資本主義実現本部事務局内閣参事官の山影雅良氏を迎え、『新しい資本主義の実現に向けて~イノベーションへの投資とデジタル田園都市国家構想推進の狙いについて~』と題して講演いただいた。本会からは三好・三木両代表幹事をはじめ48名が参加した。
<講演要旨>
「新しい資本主義」のイメージは、①市場だけでは解決できない外部性の高い社会課題にチャレンジする②官民連携で課題解決にあたる③社会課題を成長のエンジンに転換、力強い成長を実現し持続可能で包摂的な経済・社会に④社会課題の解決と経済成長の二兎を追う、に要約できる。成長と分配の好循環については、徹底して成長を追求し、その果実を適切に分配する。分配はコストではなく成長への投資であるべきで、賃金は未来への投資と再定義する。これらを実現するため、①賃上げ、価格転嫁、資産所得倍増(貯蓄から投資)②コストカットではなく付加価値創造(イノベーション)へ③民間も公的役割を。社会的貢献度評価を再設計し、新たな資金の流れをつくる、ことが必要。
日本が過去30年、経済が低迷したことについては、諸外国との比較データを示し、デジタル投資や人材投資等の過小を指摘し、結果イノベーションが低迷したとした。これらを踏まえた「新しい資本主義」は経済再生のための包括的パッケージであり、「科学技術・イノベーションへの投資」「スタートアップへの投資」「GX及びDX投資」を重点分野としているが、共通するのは「人」である。人の創造性の発揮が重要であり、人への投資が最も重要である。そして成長とリンクした賃上げが必要になる。
また、コロナの拡大とDXは、地方に新たな付加価値を生み出し、多極型の経済社会をつくっていく、と述べられた。
講演後の質疑応答では、労働移動の円滑化や施策の実効性を担保する法改正の必要性、従業員が実感できる賃上げ、価格転嫁を可能とする仕組みづくり、など幅広く議論され、盛会裏に講演会を終えた。