11月4日(金)13時から、山口市のKDDI維新ホールにおいて、第119回西日本経済同友会会員合同懇談会が、オンライン配信併用のハイブリッド形式にて開催された。 中部から九州までの18の経済同友会からリアルで約430名、オンラインで約70名が参加した。 本会からは三好代表幹事をはじめ計22名が参加した。
合同懇談会に先立ち、西日本経済同友会代表幹事会が開催され、次回開催地(徳島市)を務める本会の三好代表幹事が開催概要等を説明した。 また、2025年の大阪・関西万博について、関西経済同友会の生駒代表幹事から取組み状況の説明があり、意見交換が行われた。
懇談会では、オープニングで中原豊氏(中原中也記念館館長)による朗読と加藤舞踊学院による創作ダンスが披露された。 その後、山口経済同友会の神田代表幹事の開会挨拶で始まり、「ここからはじまる未来創生~維新のふるさと山口で地方創生を考える~」をテーマに基調講演やパネルディスカッションなどが開催された。
基調講演は、山口県周南市出身の藻谷浩介氏(㈱日本総合研究所主席研究員)により「脱!やったふり地方創生」と題して行われた。
藻谷氏は、「日本は幕末化している。 そして地方はさらに幕末化している。 実力と乖離した身分(学歴、性別など)が固定化。 経営層が高齢化し実働部隊に実権がなく、経済界が東京以上にガラパゴス化している。
政治家は地方に人財ネットワークがない。 攘夷気分が蔓延している。 従って、これらのことを変えていかないとこのままでは生き残れない。 また、情報が正確に伝わっていないことが問題であり、数字や現場を見て事実を確認することが重要である。 そうすることで地域と日本の将来が見えてくる。 そして、地方には、①過疎ならぬ適疎②令和の成長産業である農林業と製造業の現場がある③人口当たりの自然エネルギーが大きい④柔軟に自分の未来を拓く若者が存在する、といった真価がある」とし、地方創生の実現に期待を寄せた。
休憩をはさみパネルディスカッションに移り、基調講演をされた藻谷氏がモデレーターとなり、伊藤和貴氏(山口市長)、栄大吾氏(合同会社さかえる代表社員)、木村隼斗氏(長門湯本温泉まち株式会社エリアマネージャー)、田原文栄氏(株式会社豆子郎代表取締役社長)の4名がパネリストとして登壇した。
それぞれの現在までの取り組みについて紹介があり、その後活発な討論が展開された。 討論要旨は以下のとおり。
「過疎地は1周遅れの最先端であり、憐れむのではなく学ぶべき対象である。これからは量から質への時代であり、事業体は小さくなっていく中で適切な規模での事業運営が求められる。 また、コストカットではなく、コストをかける(スイス型、価値創造する)ことが大切であり、経営者はそのためのマネジメントが必要である。 そうした中で、変えるべきものと守るべきものの判断も大切である。 官と民の連携については、「自助」「共助」「公助」とあるが、「自助」が最も大事。 やらない理由はいっぱいあるが、まずは自分で何とかやってみることで周りの人たちの協力(「共助」)も生まれてくる。」
パネルディスカッション終了後、次回開催地である本会の三好代表幹事ならびに参加の会員が登壇し、開催概要を伝えるとともに、来年の徳島開催を大いにPRした。
最後に、関西経済同友会の生駒代表幹事が挨拶され、盛会裏のうちに閉会した。
懇談会終了後は会場を山口グランドホテルに移し懇親パーティーが行われ、会員間の、そして他同友会の会員の方々との交流を深めた。