4月8日(木)13時から、東京都品川区の東京マリオットホテルにおいて、第33回全国経済同友会セミナーが開催された。昨年度は新型コロナウイルス感染拡大の影響により高知市での開催がやむなく中止となったが、今年度はリアルとオンラインを組み合わせたハイブリッド形式で開催された。第33回となる今回は「新しい日本の再設計~コロナショックを新日本創造の契機に~」を総合テーマに掲げ、コロナ禍で顕在化した新たな価値観や社会の変化を捉えた上で、目指すべき社会や経営の在り方について議論した。全国44経済同友会から約1100名が参加し、本会から8名の会員がWEB上で視聴した。
オープニングでは、仙台経済同友会が制作した映像「震災から10年、そしてこれからーが」が約10分間上映された。その後、市川晃氏(全国経済同友会セミナー企画委員会委員長)が開会挨拶を行った。市川氏は、「2年連続での中止はなんとしても避けるべく議論を重ね、同セミナーの歴史上、初めての試みであるリアルとオンラインを組み合わせた形式での開催を迎えた」と述べ、「コロナショックによる大きな転換点において私たち経済界は、さまざまな変化を新たな価値創造へとつなげ、次世代の日本を作り上げていくことが求められている。本日は未来志向の議論を期待したい」とした。
基調講演は、「奈良時代における医療体制から学ぶ~感染症対策に対する取り組み~」と題し、華厳宗管長であり第223世東大寺別当の狹川普文(さがわ ふもん)氏により行われた。対談形式で、廣瀬茂夫氏(関西経済同友会常任幹事・事務局長)を聞き手に、関西会場から発信された。1300年前、日本で起こった天然痘によるパンデミックに当時の為政者であった聖武天皇がどのような手法で立ち向かったのかをお話しされた。そして、その多面的な取組みと、積み重ねによりパンデミックに立ち向かったリーダーの持つべき視座は、現代にも通じるものがあるとした。
その後、2つのテーマで、パネルディスカッションが行われた。
最後の休憩をはさみ、クロージングでは、古市健氏(関西経済同友会代表幹事)が関西会場からアピール文を発表し、満場一致で採択された(全文後掲)。閉会挨拶では、櫻田謙悟氏(経済同友会代表幹事)が、「経済同友会は素晴らしい歴史を持っているので、一致団結した結束力で同友会らしい同友会を作っていきたい」と述べた。
次回の全国経済同友会セミナーは、神戸市で開催される予定である。コロナ禍を克服し、来年はぜひリアルでの会員同士の交流ができることを期待したい。